レディオモモでは年6回、番組審議会を実施しています。
今回の審議会について、報告いたします。
なお、5/20開催予定でしたが、新型コロナウイルス緊急事態宣言発出中のため、レポート提出で実施しました。

審議番組:レディオモモ開局25周年記念番組「私とラジオ」(第1金曜9時15分~9時45分)

レディオモモは、2022年1月1日に開局25周年を迎えます。これを機に、2021年4月から、毎月1回(全12回予定)、各界のリーダーを招き「私とラジオ」というテーマで、レディオモモ代表取締役社長・赤田貞治がゲストに話を聞きます。また番組放送後に、レディオモモのYoutubeチャンネルにて、アーカイブ公開(楽曲など一部再編集)しています。

出席(レポート提出)委員
池田武彦 (委員長=山陽新聞社元論説主幹)
馬場信彰 (山陽新聞編集局デジタル編集センター主管)
野﨑正志 (岡山県観光連盟専務理事)
山川隆之 (吉備人出版社長)
藤原恵子 (フジワラテクノアート社長)
原奈津子 (就実大・短大初等教育学科教授)

欠席委員
徳田恭子 (NPO法人まちづくり推進機構岡山理事)
岡田和也 (岡山大学教育学研究科准教授)
黒田浩一 (岡山市表町商店街連盟常務理事、きものの福岡屋店主)

審議意見
・静かな音楽、赤田社長の穏やかで誠実なトークで始まるオープニング。非常に落ち着いた番組に、ゆっくりと耳を傾けました。行政の指揮を執る市長のお話でしたが、初回の友實市長は当選直後のご出演であり、当選確定後の音声が流されることにより、臨場感あふれるスタートであったと思います。この後、テーマとどの様に結びついていくのか、非常に興味を持った次第です。コロナ対策、財政問題、教育問題に対しどの様に改革を進められたか等、実態や苦悩、改善後の喜びも伺うことが出来て、取組を知る良い機会であったと思います。また、市政の話に尽きず、学生時代のラジオの思い出には、思わず懐かしさを感じておりました。リクエストの赤磐市のオリジナルソング「赤磐市のうた」も子供たちの明るい歌声が温かく爽やかで 良い雰囲気を醸していたと思います。同世代の赤田社長との軽妙なトークもとても楽しいものでした。岡山市長ご出演の回では、懐かしいラジオの思い出話の盛り上がりに、同世代を過ごした私自身も当時に心を巡らせておりました。また、市長に就任される以前の内閣に関わられた際の苦労話、緊急地震速報のシステムを確立された話等も、非常に興味深く拝聴いたしました。大森市長と赤田社長とのトークも絶妙でテンポ良く進行している感を抱きました。2回の放送を通して、ラジオは緊急時の重要な情報伝達の役割を担うもの、思い出が蘇る素晴らしいものだとラジオの重要性について改めて考えた次第です。ゲストの思いを自然に引き出す赤田社長のトークも素晴らしいです。多くのリスナーが「次回のリーダーの話は」と期待を持たれていると感じています。

・4月赤磐市長友實武則氏:冒頭の当選確実の音源。選挙開票番組のようですね。特に当選後の第一声を長々紹介する必要はあったのでしょうか。しかも、大接戦で制した選挙ということですから、投票した有権者の半数は「反友實」といえないこともありません。この半数はリスナーでもありますから、その人たちはこの部分をどのように聴いて感じたでしょうか。メディア(ラジオ)と市制を担う人との距離は、もう少し考えてもいいのではないでしょうか。前半は、赤磐市のPRというより、自身の行政成果を披露(自慢)しているような発言が多く、この番組の趣旨からして疑問を感じました。後半、若いころのラジオに耳を傾けていたころの「ロック好き」の話は、友實市長の人柄が少しだけ出ていて面白かったです。大森市長のときのように、こちらの話からのほうが自然で、番組の意図として合っているのではと感じました。
5月岡山市長大森雅夫氏:冒頭、聞き手である赤田社長の「2期目で大活躍の大森市長……」という紹介は、ちょっと白々しい感じがしないでもありません。コロナの感染拡大でたいへんな時期であり、自治体トップの行動や発するメッセージには市民が注目しているところです。緊急事態宣言で岡山市長が苦労され、懸命に努力されているかもしれませんが、「大活躍」されているようにみなさん感じているのでしょうか。導入部がラジオの思い出で、さらに聞き手の赤田社長をよくご存じということもあり、とてもフランクな会話となっていたように感じました。聞きやすく良かったと思いました。友實市長のときもそうですが、赤田社長が「同世代なので」というフリがありましたが、リスナーは赤田社長の年齢をよく知らないという前提に立てば、「私は昭和30年生まれで、昭和29年生まれの大森市長とはほぼ同世代」といったようなほうがいいように思います。
番組全体として:6月以降のゲスト予定を拝見しました。「各界のリーダーを招き」とありますが、行政のトップが4人、経済界が4人、文化・スポーツ3人となっており、少し偏っているように感じます。学術・教育分野、医療・福祉分野、地域づくりや市民活動など多方面に目を向けてもいいのではないでしょうか。しかも、予定の中には女性のゲストはいません。開局25周年記念番組「私とラジオ」のねらい、リスナーに伝えたいものは何なのでしょう?少し疑問の残る番組のように感じました。

・純粋なインタビュー番組というのは、ありふれているようで実はあまりないジャンルなのかもしれない。ローカルではよく知られた人物であっても、自らのことを30分間もメディアでじっくりと語るのを聞けたことは、貴重な体験だった。スポンサーのない自主番組ならでは企画、あるいは地域社会でのラジオ局の立ち位置が見えてくるような企画だと思う。ゲストのお二人が語った、十代の頃(1970年代)の深夜ラジオやFM放送の思い出話は、私を含むおおよそ60歳代の世代に共通の、実に懐かしくもくすぐったい記憶だ。テレビが普及し全世代的に観られ、家庭内ではチャンネル争いが激しかったこの時代、ラジオは若者にとって独占できるパーソナルな、そして外界と繋がることができるメディアとして確固たる地位を築いていた。インターネットが生活のあらゆる場面で利用され、スマフォとSNSによって多種多様でパーソナルな情報通信が世界中に蔓延している現代を起点に、50年間の時代の変化を踏まえて、これからのラジオのあり方を考えさせられました。(残念ながら将来像の構想には至りませんでしたが…)なお、今般の企画書を拝見すると、今回のお二人とあまり変わらない年配の方々がゲストとして予定されているようですが、開局後の25年間に青少年期を過ごしたもっと若い世代(次の25年間のステークホルダー)のラジオに対する思いや将来イメージも聞いてみたいものだと思いました。

・毎月1回、各界のリーダーをゲストとして招き、インタビュー形式で展開。いいアイデアだと思います。4、5月に登場した2市長は、個人的にもなじみ深いこともあって、興味深く聴かせてもらいました。気が付いたことを1点だけ。友實市長は市政PRに割いた時間が長く、「私とラジオ」のテーマからズレていたように思います。大激戦を制した選挙直後の収録で、本人も力が入っていたことは理解できますが、少しやりすぎか、と。市を二分した選挙となったことから分かるように、友實人気は決して高いわけではありません。対抗馬の井上氏を推した市民はこの番組にいい感情は持たなかったかもしれません。井上支持派にも配慮したコメントを引き出すといった工夫とか、時間配分や内容等についての事前打ち合わせが足りなかったとのではと思います。大森市長が、冒頭からラジオについて語ったのと対照的だったため、悪目立ちしてしまったのかもしれません。今後、瀬戸内、備前市長も登場予定とのことですので、あえて指摘させていただきました。最後になりましたが、開局25周年を迎えるとのこと、おめでとうございます。市民に身近で親しまれる放送局として、ますますの繁栄を期待しています。

・4月友實市長、再選直後とあってなかなかテーマ「ラジオと私」に至らず、はらはらしました。5月大森市長は、頭から大森市長とラジオとのかかわりについては話が展開していました。お二人の市長、友實さん、大森さん、直面する市政課題に向けむずかしい顔ばかりしていらっしゃいますが、赤田社長のうまい話しのできだしによってお二人とも素顔をみせていらっしゃいました。やはりラジオというものが、私達の生活の中でごくごく近いところいきづいているのだな、青春期、私を含めてみんなラジオに育てられたんだなあと思いました。市政執行に当たり両市長とともにラジオ、その中でもお二人に大変ご縁のあるレディオモモに期待するところ大と強調していらっしゃいました。ただならぬ現世、これを生き描く上でラジオの存在を見逃すことができない。この番組制作の意図の一端が理解できました。これからの登場ゲストのメンバー表が添付されていました。政界、金融、芸能、各界の代表者が出演するようですが、このメンバーいずれも本業のかたわら豊かな趣味、才能をお持ちで知る人ぞ知るです。赤田社長が上手に語らせてください。みなさんおしゃべりですから、どんどん語ると思います。みなさん、人生のベテランばかりです。次の番組の展開として若い人とラジオも聴いてみたいですね。番組中のリクエスト曲、このアイデアもおもしろかった。前述と重なるかと思いますが、この30分番組の中で、社長、市長、頭取等の冠をぬいだ姿を楽しみにしています。赤田社長はゆっくりしかも時間をこころえて番組進行をしていらっしゃる。

・まず、記念番組にふさわしい人選となっていると思いました。友實赤磐市長の回は,当選の際の「万歳」という音が注意を引き付け,その後,市政への取り組みを聞き出す内容になっていました。ただし,市長の宣伝?のようにも受け取れる部分もあり,インタビュー内容には,より慎重さが求められるように思いました。大森岡山市長の回は,対談慣れされているのか,より聞きやすかったです。どちらの回も,赤田社長が相当に下調べをされて,対談に臨まれていると感じました。よい対談内容であると思います。ただ,一般の人がどれだけ聴取するかというのは難しいと思います。かといって音楽を増やすなどすると,せっかくの対談の中身が薄まりますし,岡山の財界の方々はお互いの番組を聴くのだとすれば,現状維持でもいいのかな,と迷います。

レディオモモでは、今回の意見を基に、今後の番組作りに生かしてまいります。